犬にはそれぞれ、遺伝的になりやすい病気があります。その中には、住まいの環境が発症や進行に関わるものが少なくありません。
アニコム損保が保険金請求データをまとめた「家庭どうぶつ白書2020」では、犬59万頭を対象に、他の犬種と比べてなりやすい病気を犬種ごとに分析しています。ミニチュア・ダックスフンドは椎間板ヘルニア、トイ・プードルは前足の骨折がそれぞれ1位でした。同じ小型犬でもまったく違うことがわかります。
住まいを工夫することによって、愛犬がなりやすい病気を少しでも防げるとしたら?
今回は、犬種ごとのなりやすい病気と、住まいでできる対策について解説します。
ミニチュア・ダックスフンド|椎間板ヘルニアと段差

ミニチュア・ダックスフンドは軟骨異栄養性犬種と呼ばれる犬種です。椎間板の変性が比較的速く進むため、椎間板ヘルニアになりやすいことが知られています。シニア犬だけではなく、若いうちから発症が見られることもあります。
予防策は激しい運動を控えること、体重管理、そして階段や椅子などの段差の上り下りを控えることです。具体的には、ソファなどに飛び乗らせない、階段の上り下りをさせない、カーペットを敷くなどして床を滑りにくくする、段差にスロープやステップを設置する、足裏の毛をこまめにカットする。などが挙げられます。
とは言え、ソファがあればわんちゃんは飛び乗ってしまいますし、興奮すれば走り回ってしまいますよね。例えば、ソファやベッドへの昇り降りにステップを置く、室内の段差をなくす、床を滑りにくい素材にするなどであれば住まい側の対策として取り入れやすいのではないでしょうか。
住まいを整えることは発症のきっかけを減らす取り組みであって、完全に防ぎきれるものではありませんが、リスクを多少なりとも減らすことはできます。
トイ・プードル・チワワ|飛び降りによる骨折とパテラ(膝蓋骨脱臼)

トイ・プードルが他の犬種と比べて最もなりやすいのは前足の骨折です。他の犬種と比べて骨格が細めなので、ちょっとした段差を飛び降りただけでも骨が折れてしまうことがあるようです。
小型犬に多いパテラ(膝蓋骨脱臼)も、住まいと関わりの深い疾患と言えるかもしれません。トイ・プードルやチワワは、遺伝的に膝のお皿が収まる溝が浅く、少しの力で外れやすい骨格を持っています。
フローリングに滑り止めを敷く、ソファや階段にスロープやステップを設置する、高い場所からの飛び降りやジャンプ遊びを控えさせる、爪や足裏の毛をこまめにカットする、体重を管理するなどが対策として挙げられます。住まいで工夫できるのは、床の滑りどめと段差です。ソファの高さ、階段の有無、床材。ミニチュア・ダックスフンドの対策と共通しますね。小型犬と暮らす家では、この3点が健康に直結すると言えるかもしれません。
大型犬|股関節形成不全と床

ゴールデン・レトリーバーなどの大型犬には股関節形成不全が多く、これも遺伝的要因が大きい疾患です。
体重が重いぶん、滑ったときに関節にかかる負荷も大きくなりますので、予防や悪化を避けるために滑りやすい床材を避けることが重要です。
大型犬の場合、床の面積が広く、走る勢いもつきます。小型犬向けであれば部分的なマット敷きで対策できても、大型犬では足りないケースがあります。床自体を滑りにくい素材に変える、全てカーペットに変えるなどの対策をしてあげると良いでしょう。
柴犬|アトピー性皮膚炎

柴犬はアトピー性皮膚炎にかかりやすい傾向がある犬種です。
アトピー性皮膚炎は、ハウスダストや空気中のカビ、花粉などへの過剰反応で起こることが多く、治療の第一は原因物質を取り除くことです。例えば、ハウスダストが原因であれば、こまめな掃除が大切。カビや花粉が原因なら、こまめな換気や空気清浄機を活用してみましょう。
愛犬が主に過ごす部屋を、ほこりを含みやすいカーペットや畳から、フローリングに変えることもおすすめですが、フローリングは滑りやすいデメリットがあるため、関節に負担を与えることも。関節対策も行うなら、滑りどめ加工を施した床材を採用してみるのが良いでしょう。
まとめ
今回ご紹介した犬種以外にも、なりやすい疾患を持つ犬種は多数存在します。それぞれのわんちゃんの体質や個性にあわせて住まいを整えていきたいですね。
愛犬家住宅コーディネーター在籍
ペットとくらすリノベ住宅では、愛犬家住宅コーディネーターが在籍しています。
犬種や年齢、今抱えている症状や予防したい疾患によって、床材や段差の答えは変わります。「うちの子にはどれが合うのか」という段階からご相談いただけます。どうぞお気軽にお声がけください。